1981年(昭和56年)に建築基準法は大きく改正され、耐震基準も大幅に変更されました。現在の耐震基準(新耐震基準)は、震度6強~7程度の地震発生時にも、建物が倒壊しないものとされていますが、1981年以前に竣工した建物には新耐震基準に適合していないものも多く見られます。2011年3月に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)を契機に、我が国周辺での地震活動が活発化する昨今、早急な補強工事を強くお勧めします。
現在、我が国では学校施設を始めとする公共施設で、特に積極的に耐震補強工事が行われています。また、民間の建物においては、百貨店やホテル・旅館、劇場等の多くの人々が使用する建物を中心に耐震化が進められています。その他、木造住宅を始めとする住宅においても、耐震補強が注目され、社会全体で既存建築物の耐震化を推進する動きが見られます。
ただ、いざ建物の耐震化を進めようとすると、専門的な知識や情報の不足によって、容易に取り組めないケースも多く見られます。弊社では、過去の実績から得たノウハウを基に、性能は勿論、コストや工期なども視野に入れた効果的な工法をご提案致します。
無震動工法によるアンカー打設、外付け鉄骨ブレース接着工法により、水平耐力を補強しました。なお、騒音・震動が少ないため、居住者が在室したままのスムーズな工事が可能です。
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屋内運動場の屋根面水平耐力を補強するため、鉄骨ブレースを新設しました。さらに、外壁柱面に耐震バッ トレスを新設することで、桁行き方向の壁量不足を補強し、大地震発生時にも、安心・安全な学校施設となりました。
鉄骨ブレースと鉄筋コンクリート耐震壁を、機能性と意匠のバランスを考慮し、適所に配置しました。鉄骨ブレースは室内側に配置し、学校施設としての美観を保ちながら耐震性を向上させました。耐震補強工事では、建物のどの部分に補強工事を行うのか( 建物の内側か外側か等)の検討が重要です。
屋内運動場の屋根重量を軽量化するため、プレキャスト・プレストレストコンクリート屋根版を撤去しボールジョイントタイプの立体トラスを新設しました。建物そのものの重量を軽くすることも耐震性能を向上させるひとつの選択肢です。